訪問歯科診療について

お知らせ

訪問歯科診療の詳細について、以下記します。

①訪問歯科診療受診の条件

訪問歯科診療受診の条件は、大きく分けて2つあります。

当院から半径16km圏内まで訪問可能です

まず第一に、訪問出来る範囲が、病院から依頼主のお宅まで半径16km以内であることです。

当院の場合ですと、おおよそ折尾〜門司までが範囲内になります。

なお、距離は直線距離での計算です。

もし判断が難しい場合は、お気軽にご相談ください。

歯科外来に通院していない方が対象です

そして、もう1点は「歯科外来に通院していない方」が対象となります。

例えば

「今週の月曜日と水曜日は歯医者に行きます。来週の火曜日は来ていただいても宜しいでしょうか?」

というケースは対応しかねます。

訪問診療とは、外来通院が困難な方に行う診療です。

その為、訪問診療をご希望の方は、歯科外来の通院を一旦中断していただく必要があります。

※医科外来に通院するのは差し支えございません。

②料金について

続きまして、料金形態についてご説明させていただきます。

要点は大まかに分けて以下の2つです。

診る人数によって診療料金が異なります

訪問診療は診る人数によって、以下のように診療料金が大きく異なってきます。

簡潔に申し上げますと、往診料+治療費という計算になります。

以下、目安を記載しておきます。

※便宜上、1割負担の方毎週訪問した場合で計算しています。

  • 1人(独り暮らしの方など)→約1200円(往診料)+治療費(治療がある場合)
  • 2~3人(施設)→約730円(往診料)+治療費(治療がある場合)
  • 4~9人(施設)→約630円(往診料)+治療費(治療がある場合)

居宅・居宅系施設は医療保険と介護保険の両負担になります

特養などの高齢者施設と異なり、居宅及び居宅系施設(有料老人ホームなど)の料金形態は医療保険と併せて介護保険の料金もかかってきます。

以下例を示します。

(※便宜上、1割負担の方毎週訪問した場合で計算しています。)

  • 1人(独り暮らしの方など)                               →約1200円(往診料)+治療費(治療がある場合)+約2400円(介護保険分)
  • 2~3人(施設)                                     →約730円(往診料)+治療費(治療がある場合)+約2000円(介護保険分)
  • 4~9人(施設)                                     →約630円(往診料)+治療費(治療がある場合)+約2000円(介護保険分)

③訪問歯科診療で出来ること

訪問歯科診療で出来ることは以下の4点が挙げられます。

口腔ケア

周知の事実かと思いますが、口腔ケアはもはや単なる歯磨きでなく、治療です。

口腔内清掃不良は誤嚥性肺炎重症化のリスク要因の一つです。

加えて、昨今では歯周病と認知症、糖尿病などの関連性も取り上げられるようになりました。

また、施設側では口腔衛生管理加算・口腔衛生管理体制加算が設けられており、施設側も口腔内情報の共有及び管理を行なっている場合には点数が加算されます。

さらには、令和6年からは介護職員が「入居者全員の口腔内状況把握」を業務内で行うことが義務付けられるようになりました。

このように、国としても口腔と全身状態の関連性を重く受け止めているのです。

歯科治療(保険診療のみ)

訪問診療では、外来診療と同様、歯科治療も行えます。

虫歯治療、入れ歯作製、歯石取り、抜歯、被せ物作製、レントゲン撮影などが可能です。

ただし保険診療のみなので、インプラント・矯正治療は除きます。

摂食・嚥下

口腔内トラブルに次いで、多い依頼が「食べ物の飲み込みを診てほしい」という、摂食・嚥下のご相談です。

摂食嚥下障害は、口腔内トラブル、疾病、薬剤、老化、環境などなど多種多様な要因が関連しており、非常に複雑です。

当院では、まず聖隷式嚥下質問紙(リンク)による問診に加えて、口腔機能検査を行い、現状を把握します。

下図は口腔機能検査に用いる器具です。

その上で、何が原因なのか、どこの機能が弱っているかを把握し、各々にあったリハビリを行います。

一例ですが、当院で用いているリハビリ具の一つです↓

また、具体的に喉の動き、飲み込みの動きをリアルタイムで見たい時は、VE(嚥下内視鏡)にて精査を行うこともあります↓

④訪問歯科診療の非対象者

最後に、訪問歯科診療の非対象者についてご説明いたします。

以下の2点に当てはまる方は原則訪問歯科診療を受診出来ませんのでご注意ください。

歯科外来に通院している方

冒頭にも申し上げましたが、歯科外来に通院している方は対象外になります。

そのため、訪問歯科診療受診をご希望される場合は、歯科外来受診をされていない状態にして下さいますよう、宜しくお願いいたします。

歯科がある病院に入院中の方

もう一つは、歯科がある病院に入院中の方です。

逆に言えば、歯科がない病院であれば訪問は可能ということです。

入院先に訪問診療をご希望の方は、診療科に歯科が無いかをご確認いただければと思います。

コメント